メリット

①安全性

体外衝撃波の最大のメリットは、安全性が挙げられます。最近は整形外科疾患、脳血管疾患、美容分野など様々な体外衝撃波に対する研究が報告されていますが、拡散型体外衝撃波に関する有害事例の報告の報告は現時点では見られていません。軽度な副反応として、発赤などは報告されていますが、数時間程度で消失する一過性の反応とされています。

また、脳血管疾患の痙縮に対する介入方法としては、ボトックスとの比較や併用方法が検討されています。ボトックスとは、ボツリヌス療法といい、ボツリヌストキシンという毒素を神経筋遮断薬として使用し、神経から筋肉に向けた信号伝達を阻害することで筋肉の収縮を抑制します。痙縮治療においては広く普及しており、医師による適切な投与により、効果的な痙縮治療の方法として知られていますが、ボツリヌストキシンの性質上、重大な有害事例の報告もあるため(※適切な方法での治療は有効性や安全性は示されています)、患者様の中には敬遠する方も多くみてきました。その面から考えると、体外衝撃波は体内に有害物質を入れることもないため、とても安全に行える方法だと言えます。

 

②効果

これまで報告されている体外衝撃波の研究では、小児麻痺児の痙縮や、脳卒中片麻痺患者様の痙縮、さらには慢性期脳卒中患者様の手の拘縮等、様々な状態に対する検討が報告されていますが、軒並み改善効果を認めています。

さらに、ボトックスとの比較も多くあり、非劣位性(ボトックスにも劣らないということ)が報告されています。その中では、ボトックスは痙縮を落とすために筋の収縮能を阻害してしまうため、運動機能の改善を妨げる可能性が示唆されていますが、体外衝撃波に関しては、そのような収縮能の阻害がないとされ、上肢機能の改善にはボトックスよりも体外衝撃波の方が優位に大きかったとの報告もあります。

また、外来リハビリなどと比べ制度上の制約などがない分、改善に向けて体外衝撃波と運動療法を併用して入念な機能訓練、動作訓練、応用動作訓練を行う事が出来ます。

 

③方法

体外衝撃波のメリットとしては、簡単に行えるという点も挙げられます。

痙縮を呈する筋の筋腹や筋腱移行部、筋間に対し、直接的に衝撃波を行います。研究報告で行われている方法をベースとし、これまでの経験的な側面からそれぞれの方に最適な方法を選択して施術を行います。施術直後から運動に制限がないため、生活上の支障もありません。(※施行にあたり、痛み刺激などによる反射的な血圧低下などを考慮し、基本的に臥位姿勢で行います)

週1回を限度とし、最低6週間は継続し、計6回を1クールとします。体外衝撃波単体でも効果は得られますが、運動療法との併用が最も効果的なため、コスト面を考えても、脳神経リハビリコースとの併用をおススメします。

 

デメリット

①施術が受けられる場所が少ない

まずはこれが一番のデメリットです。整形外科疾患に対する体外衝撃波は比較的導入医療機関が増えてきましたが(※とは言え、東三河ではまだおそらく数カ所のクリニックだけだと思います)、脳卒中に対する体外衝撃波を本格的に導入している場所は愛知県内でもまだ希少です。そのため、当施設は自費の脳卒中リハビリ施設として全国的にも珍しい体外衝撃波導入施設です。

 

②施術に痛みが伴う可能性がある

体外衝撃波は、可能な範囲で高い出力で行う事でより効果的となると言われています。研究論文で提示されている出力も、比較的高い状態で行われていることが多いため、人によっては痛みを伴う場合もあります。痛みとしては、皮膚や筋肉が薄い部分では骨に響くような感覚が出ることがあります。また、炎症部位ではチクチクと鍼でつつくような感覚もあります。痛みの感じ方は個人差があり、同じ出力でも痛みの感じ方は違います。当施設では、研究論文などの出力を参考に、これまでの経験を加味し、それぞれに適した出力で行います。調整を行う事で、最適な出力を探しながら行いますので、痛みで不安な方も安心してご利用いただいています。

 

③費用が掛かる

医療機関における拡散型体外衝撃波はほとんどの施設が保険費用内で行っていますが、自費リハビリ施設や接骨院などでの拡散型衝撃波の使用には費用がかかります。当施設では、1部位に衝撃波を2000発使用します。1発1円換算で提供しているため、1部位につき2,000円の費用を頂いています(場所や用途、目的により発数は変わります)。費用を頂く分、強さや当て方、当てる部位などの施術方法にはこだわりを持ち、効果的な方法で変化を実感して頂きます。