自費リハビリで歩行改善|ぶん回し歩行の原因を全身から分析
「歩くことはできるようになった。」
でも、 歩き方が気になって外に出られない。
人の視線が気になる。
以前のように、 仕事や趣味を楽しめない。
脳卒中後の「ぶん回し歩行」は、 単なる歩き方の問題ではありません。
その背景には、 麻痺側の足だけではなく、 身体全体の使い方が関係しています。
特に私が重視しているのが、 非麻痺側の身体の使い方です。
私は長い間、 脳卒中後のリハビリに関わってきました。
急性期、回復期、生活期。
さまざまな時期の患者さんを見てきました。
その経験から、 ぶん回し歩行を考えるときは、 麻痺側だけを見てはいけないと考えています。
この記事では、 ぶん回し歩行が起こる背景を、 脳の働きと身体の動きから解説します。
そして、 自費リハビリで実際にどこを評価し、 どのように改善を目指すのかをお伝えします。
ぶん回し歩行は「麻痺側の足」だけが原因ではありません
ぶん回し歩行を見ると、 多くの方は麻痺側の足に注目します。
足が上がらない。
膝が曲がらない。
つま先が引っかかる。
そのため、 足を外側へ大きく回している。
この考え方は、 一部では間違っていません。
しかし、 それだけでは説明できないケースがあります。
私が最初に確認する3つのポイント
- 非麻痺側(良い方)の足で、 どう身体を支えているか
- 側方への体重移動(特に非麻痺側)を、 どのような方法で行うのか
- 麻痺側の足を出す時に、 頑張って出していないか
脳卒中後は、 損傷した脳だけに変化が起こるわけではありません。
脳の左右の活動バランスが変化し、 半球間抑制などが関係することもあります。
その結果、 非麻痺側の活動が過剰になることがあります。
立位や歩行では、 その影響が身体の使い方に強く現れます。
非麻痺側の足で、 身体を突っ張るように支える。
その結果として、 反対側の骨盤が持ち上がる。
そして、 麻痺側の足が外側へ回ってしまう。
このような流れが 起きている可能性があります。
ぶん回し歩行は「筋肉1つ」ではなく全身の制御から考える
ぶん回し歩行を見ると、 「この筋肉が硬いから足が回る」 と考えたくなります。
しかし、 実際の歩行はそれほど単純ではありません。
人は重力の中で身体を支えながら、 左右へ体重を移動して歩きます。
そのため、 ぶん回し歩行を考えるときも、 全身の姿勢制御を見る必要があります。
ぶん回し歩行で確認したいこと
- 非麻痺側の足で、 どのように身体を支えているか
- 左右への体重移動を、 どのようにコントロールしているか
- 骨盤と体幹、頭部は 正中を保持できているのか
- 麻痺した足を頑張って 持ち上げようとしていないか
- そもそも関節の動きに制限がないか
- 長期間の歩行による「癖」が 定着していないか
ここで重要になるのが、 脳卒中後の脳機能の変化です。
脳卒中後は、 損傷した脳だけに変化が起こるわけではありません。
脳の左右の活動バランスが変化し、 半球間抑制などが 関係することもあります。
その結果として、 非麻痺側の活動が過剰になる場合があります。
こうした脳機能のアンバランスは、 立位や歩行時の身体の使い方にも影響します。
例えば、 非麻痺側の足で身体を支えるとき。
体重を受け入れるように制御するのではなく、 押し返すように突っ張ることがあります
このような支え方になると、 非麻痺側の股関節周囲の働きも変わります。
結果として、 反対側の麻痺側骨盤が 持ち上がるような動きにつながることがあります。
その状態で麻痺側の足を出そうとすると、 足を外側へ回す動きが自然と出てしまうことがあります。
ここで大切なのは 「骨盤が上がっている」という事実だけではない
ぶん回し歩行では、 麻痺側の骨盤が上がっていることがあります。
しかし、 「骨盤を上げている筋肉」を 見つけるだけでは、 原因の特定には不十分です。
重力の中で身体がどのように支えられ、 その結果として骨盤がどう動いているのか。
動きの原因と結果を分けて考える必要があります。
私がぶん回し歩行を評価するとき、 まず確認するのが非麻痺側です。
立位での体重移動を見ます。
そのとき、 非麻痺側の股関節周囲が どのように働いているかを確認します。
特に、 身体を支えるときに、 遠心性にコントロールできているのか。
それとも、 股関節を外側へ押し出すように 突っ張っているか。
ここを確認するだけでも、 歩行中の身体の使い方が 見えてくることがあります。
「足をまっすぐ出す」だけでは足りない理由
歩行中に足をまっすぐ出そうとしても、 身体を支える場所が変わらなければ、 歩き方は変わりにくいことがあります。
足の動きを変える前に、 その足を動かせる身体の準備ができているか を見る必要があります。
だからこそ、 私はぶん回し歩行を 「この筋肉が硬いから」という 一つの原因だけでは考えません。
なぜ、その動きが必要になっているのか。
そこまで考えて、 身体全体を評価します。
そして、 実際にハンドリングを行い、 身体の使い方を変えてみます。
その状態のまま歩行を確認し、 どのような変化が起きるかを見ます。
もちろん、 すべての方が同じ反応をするわけではありません。
慢性期では、 長年の歩行による誤学習や、 関節の構造的な制限が残っていることもあります。
そのため、 一人ひとりの身体を確認しながら、 原因を整理する必要があります。
ぶん回し歩行を改善するために大切なのは、 「足をどう動かすか」だけではありません。
身体全体が、 どのように動きを作っているのか。
そこから考えることが、 改善への第一歩になります。
LIMでは「ぶん回し歩行の原因」をどう評価するのか
ぶん回し歩行のリハビリでは、 最初からリハビリ内容を決めることはありません。
まず、 今の歩行がなぜ起きているのかを確認します。
同じ「ぶん回し歩行」でも、 その背景は一人ひとり異なるからです。
① まず「歩き方」ではなく身体全体を見る
最初に、 実際の歩行を観察します。
足だけを見るのではありません。
- 非麻痺側の足で、 どのように身体を支えているか
- 左右へどのように体重を移しているか
- 骨盤と体幹がどう動いているか
- 麻痺側の足を出す前に、 身体にどのような動きが起きているか
歩行の一部分だけではなく、 身体全体の関係を確認します。
② 非麻痺側の身体を確認する
私が特に重視するのが、 非麻痺側の身体です。
「いい足だから問題ない」 とは限りません。
非麻痺側の使い方が、 ぶん回し歩行に影響していることがあります。
立位や体重移動を確認し、 股関節や膝をどう使っているかを見ます。
特に、 身体を支えるときに、 動きながらコントロールできているかを確認します。
③ ハンドリングで身体の反応を確認する
次に、 実際に身体へハンドリングを行います。
非麻痺側の支え方や、 体重移動の方向を調整します。
その状態で、 もう一度歩いてもらいます。
例えば、 非麻痺側の支え方を調整したことで、 麻痺側の足の振り出し方が変わる。
その結果、 足のぶん回しが軽くなる。
このような変化があれば、 非麻痺側の身体の使い方が、 歩行に関係している可能性があります。
④ 変化がなければ、別の要因を考える
非麻痺側を調整しても、 歩行が変わらないこともあります。
その場合は、 別の要因を確認します。
- 麻痺側下肢の随意性
- 関節の可動域
- 筋緊張の状態
- 痛みの有無
- 長期間の歩行による誤学習
- 構造的な制限
特に慢性期では、 長年続けてきた歩き方が、 身体に定着していることがあります。
そのため、 「非麻痺側が原因」と決めつけることもしません。
一人ひとりの身体を評価し、 原因を一つずつ整理していきます。
私が大切にしている評価の考え方
「ぶん回し歩行だから、 この筋肉を鍛える」
「この筋肉が硬いから、 ここを緩める」
このように、 最初から答えを決めることはしません。
まず身体の状態を確認します。
次に仮説を立てます。
そして、 実際に身体へ介入します。
その結果、 歩行がどう変化したかを確認します。
評価と介入を別々に考えるのではなく、 介入による身体の変化まで含めて評価します。
このような評価を行うことで、 「なぜぶん回しているのか」を 少しずつ整理していきます。
ぶん回し歩行を改善するために必要なのは、 決まった運動を繰り返すことだけではありません。
その人の身体が、 今どのように動いているのか。
そして、 どこを変えることで歩行が変化するのか。
そこを見つけることが、 リハビリのスタートになります。
あなたの「ぶん回し歩行」は、 本当に変えられないのでしょうか?
ここまで読んで、 「自分の場合はどうなんだろう」 と感じた方もいると思います。
ぶん回し歩行には、 さまざまな原因が関係します。
麻痺側の足だけに 問題があるとは限りません。
非麻痺側の身体の使い方。
骨盤や体幹の動き。
左右への体重移動。
関節の動きや筋緊張。
そして、 長年続いた歩行パターン。
一人ひとり、 確認するべきポイントは異なります。
PNF脳卒中リハビリスタジオLIMでは、 完全マンツーマンで歩行を評価します。
実際の歩行を観察し、 身体全体の動きを確認します。
そして、 必要に応じてハンドリングを行います。
身体の使い方を変えたとき、 歩行がどう変化するのかを確認します。
その変化を手がかりに、 あなたの歩行の問題を整理していきます。
「もう歩き方は変わらない」 と決めつける前に、 まず現在の身体の状態を確認してみてください。
体験リハビリを予約するぶん回し歩行を改善するために、自宅でできること
ぶん回し歩行を改善するために、 自宅で確認できることもあります。
まずは、 普段の立ち方や体重移動を 見直してみてください。
▼ 「いい足」の支え方を確認する
安全な場所で立ち、まずは足幅を狭くして立てるのか。 理想的な足幅は、うちくるぶしの間に拳1個入るか入らないか程度です。
それにより、バランスを調整する機能が自動的に働き始め、股関節の外側の筋肉が活動します。常に足を開いた状態で立っていると、バランスを調整する脳の機能も働きを失ってしまいます。そして、股関節の機能も歩行に適さない状態へと変わってしまいます。
- 足幅を狭く立てるのか
- まっすぐ立てるのか
- 手は自由に動かすことができるのか
▼ 「足を出す前」の身体に注目する
歩行では、 足を出す動きだけが重要ではありません。
その前に、 身体を支える必要があります。
麻痺側の足を出す前に、 非麻痺側へ体重を移したとき、 身体が安定しているか確認します。
足をまっすぐ出そうとする前に、 足を出せる身体の準備ができているか を意識してみてください。
▼ たまに鏡や動画で歩き方を確認する
可能であれば、 鏡やスマートフォンで歩行を確認します。
ただし、あくまで目標は自分の身体の感覚を改善させることです。常に鏡や動画で確認することは、自分の身体の感覚を使わないことにも繋がる可能性があります。鏡や動画は、”答え合わせ”として使うことをお勧めします。
- 麻痺側の骨盤が上がっていないか
- 非麻痺側で身体を固めていないか
- 麻痺側の足を外側へ大きく回していないか
ただし、 映像だけで原因を判断することはできません。
▼ 無理に「きれいな歩き方」を作らない
ぶん回し歩行を直そうとして、 足だけをまっすぐ出す練習をする。
この方法が、 すべての方に適しているわけではありません。
身体を支える力が十分でない状態で、 足の動きだけを変えると、 バランスを崩すこともあります。
転倒の不安がある方は、 無理に一人で練習しないでください。
自分では、 「非麻痺側で身体を固めている」 と気づけないこともあります。
また、 身体の使い方を変えたときに、 本当に歩行が変化するのかも判断しにくい部分です。
だからこそ、 専門家による評価が必要になることがあります。
自宅での練習と専門的な評価の違い
- 自宅では、 普段の身体の使い方を確認する
- 専門家は、 動作全体の関係を評価する
- 必要に応じて、 ハンドリングで動きを変える
- 介入後の歩行変化から、 原因をさらに整理する
自宅でできることを続けながら、 一度専門家に身体全体を評価してもらう。
それも、 自分の歩行を見直す一つの方法です。
ぶん回し歩行を改善するなら、まず「原因」を見直す
脳卒中後のぶん回し歩行は、 麻痺側の足だけの問題とは限りません。
非麻痺側の支え方。
左右への体重移動。
骨盤や体幹の動き。
そして、 脳卒中後の脳機能の変化。
さまざまな要素が関係しています。
ぶん回し歩行を考えるときのポイント
- 麻痺側の足だけで原因を考えない
- 非麻痺側の足で、 どう身体を支えているか確認する
- 脳と身体の両方から歩行を考える
- 筋肉1つではなく、 全身の姿勢制御を見る
- 実際に身体の使い方を変え、 歩行がどう変化するか確認する
私が17年間、 脳卒中後のリハビリに関わってきた中で、 強く感じていることがあります。
歩けるようになった。
でも、 外出することが減った。
人の目が気になる。
以前のように、 仕事や趣味を楽しめない。
そんな方もいます。
特に、 ご自身の歩き方をしっかり理解できる方ほど、 歩行の見た目を気にすることがあります。
「歩けるようになったから十分」 ではなく、
どのように歩きたいのか。
その歩き方で、 どんな生活を取り戻したいのか。
そこまで考えて、 歩行を評価することが大切だと考えています。
私自身が、今でも考え続けていること
以前、 病院や介護施設で関わった患者さんの中にも、 身辺動作は自立している方がいました。
一人で屋外を歩くこともできました。
それでも、 外出する機会は限られていました。
歩き方を人に見られることが気になる。
高齢者中心の介護施設には、 長く通い続けることが難しい。
当時の私は、 今ほど身体全体の動きを深く評価できていませんでした。
今でも、 「もっとできることがあったのではないか」 と考えることがあります。
だからこそ、 今ぶん回し歩行で悩んでいる方には、 「もう仕方がない」と決めつけてほしくありません。
もちろん、 すべての方の歩行が 同じように変化するわけではありません。
長期間の誤学習や、 関節の構造的な制限がある場合もあります。
それでも、 まず現在の身体を正しく評価する。
そして、 どこに変化する可能性があるのかを探す。
そこから始めることはできます。
ぶん回し歩行で悩んでいる方へ
「歩けるようになったから、 もう仕方ない」
そう思っている方もいるかもしれません。
しかし、 今の歩き方には理由があります。
その理由が分かれば、 変えられる部分が見つかることがあります。
LIMでは、 麻痺側の足だけを見て終わりにはしません。
非麻痺側の支え方。
骨盤や体幹の動き。
左右への体重移動。
麻痺側下肢の動かし方。
そして、 長年続いた歩行パターン。
身体全体を確認します。
体験リハビリでは、 実際の歩行を確認しながら、 身体の状態を評価します。
そして、 必要に応じてハンドリングを行います。
身体の使い方を変えたとき、 歩行がどう変化するのかを確認します。
自分の歩行を一度、 専門家の視点から確認してみたい。
そう感じた方は、 体験リハビリをご利用ください。
体験リハビリを予約するこの記事のポイント
- ぶん回し歩行は、 麻痺側の足だけで考えない
- 非麻痺側の支え方が、 歩行に影響することがある
- 脳卒中後の脳機能の変化も、 身体の使い方に関係する
- 筋肉1つではなく、 全身の姿勢制御から評価する
- 実際に身体の使い方を変え、 歩行の変化を確認する
ぶん回し歩行で悩んでいる方は、 「足をどう動かすか」だけでなく、
「なぜ、その歩き方になっているのか」
一度、 そこから見直してみてください。
原因を整理することが、 歩行を見直す最初の一歩になります。

